2017年5月24日水曜日

ワイマールの教訓

 第一次大戦後、ドイツでワイーマール憲法が成立した。当時としては開明的で進歩的な内容の憲法とされているが、結果としてはナチス・ドイツの第三帝国を生み出した。

 良くしようと思い、良くしようとした結果、悪くなってしまった。
 ワイマールから引き出せる教訓はこれだ。
 実際、これは良くある話だ。悪くなるとまでは行かなくても、結果が思わしくないという程度なら、ほとんどの行為の帰結にあてはまる。人の意図は現実に移されると、ほぼこういう末路をたどる。 

 良くしようとしたのだから、良くなるとなどと期待してはいけない。
 良い意図と良い結果、悪い意図と悪い結果が対にはなっていない。どのように結びつくかまったくわからないものだ。
 ただ、時として、何かの間違いなのか、いい結果が出る事があるかもしれない。
 ローリング・ストーンズなら 'You can't always get what you want' と歌うところだ。

 人の行為は、理想と較べて何割ぐらい達成できたかを考えるものだ。半分ぐらいだったら大成功という時もあるだろうし、6割で良しとするという場合もあるだろう。本当は、もっと低いところで妥協しているかもしれない。
 でも、それでいいんだ。そう見れば、良くしようとして、良くなったと言える。それは大事な事だ。
 どんぱん節でも「なかなか思うようにゃ、いかねもんだ〰」と歌っている。
 教訓には従った方がいい時がある。