2017年5月20日土曜日

心のかけらと天城越え

 ジャニス・ジョプリンが歌った中でも代表曲のひとつという扱いなのが邦題「心のかけら」(Piece of My Heart) らしい。
 元々はアレサ・フランクシンのお姉さんの、エルマ・フランクリンが歌った曲で、これも素晴らしい歌唱だ。
 アメリカの女性歌手はこの曲が好きで、色々な人が歌っている。日本だと「天城越え」みたいな感じで女性のハートをキックしているみたいで、色々な女性歌手が熱唱している。
 男だと、エアロスミスのスティーブン・タイラーが歌っているが、バックにたむろしているコーラス隊と思われる女性たちが、タイラーそっちのけで歌っていたりする。

往年の大女優が集まって、「天城越え」を歌う会を開催しているという話を聞いて、

〰何があっても、もういいの♪

 と歌われても、もう何もありませんから、安心なさってくださいと、落ち着いていただきたくなるが、あまりの迫力に声が出ない・・・みたいな、背筋の寒くなる思いをした。

 バックバンドがあまり好みではないので、ジャニス・ジョプリンは時々しか聞かないが、今の整った演奏でジャニスの歌というのも厳しいかもしれない。キャロル・トンプソンのロック・ステディ風の演奏にのせた歌を聞くと、両者の違いにひたすら戸惑ってしまう。

ジャニスの音源から歌を抜き出して、バックを録音し直すなんて気味の悪い事をする人がいないのは、あの演奏と歌の結びつきは、もうどうしようもないからかもしれない。だとしたら、それがあの演奏で最も評価すべき点のような気がする。