2017年6月22日木曜日

ディーン・マーチンを聞きながら

 いつも酔っ払っていた印象のあるディーン・マーチンのマンボ・イタリアーノは楽しい曲だ。いや、マーチンの歌はたいてい楽しいのがいい所だ。心に染みすぎないのが楽なんだね。
 マンボ・イタリアーノの歌唱で言えば、ベット・ミドラーの方が迫力も歌唱力も上だし、楽しめるが、ミドラーが楽しめるのは、ミドラーがマーチンを楽しんでいるのが伝わって来るからだ。そういう芸当はマーチンには不可能で、ミドラーにしか出来ない事なのだが、そういう事が出来ないマーチンはそのまま楽しい。

 マーチンの実人生に苦労があったかなかったか、そういう事は知らないが、芸のありようが、軽みを持っていて、その感じのちょうど良さは類をみないものだった。
 ディーン・マーチンが愛されたのは、そこに多くの人が救いを感じたからだと思う。